フリーランスとして働くママの中には、確定申告に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。特に「減価償却」という言葉を聞いても、「何だか難しそう」と感じるかもしれません。しかし、減価償却を正しく理解し活用することで、節税や経費計上をより効果的に行うことができます。
この記事では、フリーランスが知っておくべき「減価償却」の基本から、具体的な手続きや活用方法まで、わかりやすく解説します。
減価償却とは?
減価償却の意味
減価償却とは、購入した設備や備品などの「固定資産」の費用を、使用する期間に分割して経費として計上する方法です。たとえば、高価なパソコンやカメラを購入した場合、1年で全額を経費にするのではなく、数年にわたって分割して計上する仕組みです。
なぜ減価償却が必要なの?
フリーランスの確定申告では、購入したものを経費として計上することで所得税を抑えることができます。ただし、高額な資産を一度に経費として処理すると、会計上の公平性を保つために問題が生じます。そのため、資産を長期的に使う場合は、減価償却という方法で分割して経費にする必要があります。
減価償却が適用される資産とは?
減価償却資産の条件
減価償却が適用される資産は、以下の条件を満たすものです。
- 使用期間が1年以上
- 購入金額が10万円以上(ただし一定条件で30万円以下でも特例あり)
- 事業に使用する資産であること
減価償却の対象となる例
- パソコンやプリンター: Webデザインの仕事に使用する場合。
- カメラやレンズ: 撮影や動画制作に使用する場合。
- 事務所の家具: デスクや椅子などの備品。
- ソフトウェア: 高額なデザインソフトや業務用アプリ。
なお、10万円未満のものや消耗品は、減価償却の対象外として一括で経費にできます。
Macbookも10万円以上なら減価償却の対象となります。
減価償却の計算方法
減価償却の仕組み
減価償却は、購入価格を「耐用年数」に基づいて分割します。耐用年数とは、資産が使用できると考えられる年数のことで、国が定めています。
計算の基本式
減価償却費を計算する基本式は以下の通りです。
減価償却費 = 購入金額 × 償却率
耐用年数の例
耐用年数は資産の種類によって異なります。以下に主な例を挙げます。
- パソコン: 4年
- 事務机・椅子: 10年
- カメラ: 5年
- ソフトウェア: 5年(永久ライセンスの場合)
たとえば、20万円のパソコンを購入した場合、耐用年数4年なので、年間の減価償却費は以下の通りです。
20万円 ÷ 4年 = 5万円(年間)
このように、5万円ずつ4年間にわたって経費として計上します。
減価償却の計算方法の種類
減価償却には、以下の2つの主な計算方法があります。
1. 定額法
定額法は、耐用年数にわたって毎年同じ金額を経費にする方法です。先ほどの例のように、パソコンの価格を4年間で均等に分割する形になります。
メリット
- 計算がシンプルでわかりやすい。
- 初心者に向いている。
2. 定率法
定率法は、毎年一定の割合で減価償却費を計算する方法です。初年度に多くの経費を計上できるため、初期投資の負担が軽減されます。
メリット
- 初年度に多くの経費を計上できる。
デメリット - 計算が複雑で手間がかかる。
減価償却の手続き方法
確定申告での減価償却の記入
減価償却費を確定申告書に記入する際は、以下の手順を踏みます。
- 減価償却資産を一覧表にまとめる。
- 各資産の購入金額、耐用年数、計算方法を明記する。
- 計算した減価償却費を確定申告書の「必要経費」に記入する。
会計ソフトの活用
手作業で計算するのは大変なので、会計ソフトを利用するのがおすすめです。以下のソフトは、減価償却の計算を自動で行ってくれるため便利です。
- freee会計: 初心者でも使いやすく、減価償却の自動計算機能付き。
- マネーフォワード クラウド: 資産管理がしやすく、減価償却も簡単に記録できる。
- やよいの青色申告オンライン: 減価償却の詳細設定も可能で、確定申告の書類作成がスムーズ。
減価償却を活用するメリット
節税効果がある
減価償却費を経費として計上することで、所得税や住民税の負担を軽減できます。
資産管理がしやすくなる
減価償却を通じて、事業に使用する資産を明確に管理できます。これにより、資産の更新時期や必要経費を把握しやすくなります。
長期的な視点で経費を分散
一度に高額な経費を計上するのではなく、数年間に分散できるため、税金負担を平準化できます。
減価償却に関する注意点
計上ミスに注意
減価償却の計算を間違えると、税務署から修正を求められる場合があります。会計ソフトを利用するか、税理士に相談することでミスを防ぎましょう。
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10万円未満の資産は一括で経費に
購入金額が10万円未満のものは減価償却の対象外で、購入した年度に全額を経費として計上できます。ただし、30万円以下のものについては少額減価償却資産の特例を利用することも可能です。
まとめ
減価償却は、フリーランスの確定申告で節税効果を得るために重要な仕組みです。特に高額な資産を購入した場合、減価償却を正しく計上することで税金負担を軽減しつつ、資産管理も効率化できます。
会計ソフトを活用すれば計算や手続きが簡単になり、忙しい働くママでも無理なく確定申告を進めることが可能です。減価償却をうまく活用して、フリーランスとしての安定した経営を目指しましょう!